ブランクが不安な人へ

2020.05.07

こんにちは!名古屋大学陸上競技部短距離パート2年の山本です。
いきなり書き始めても「おまえ誰やねん!」とツッコミが入りそうなのでまずは自己紹介から。

・名前:山本悠生
・学部学科:工学部機械・航空宇宙工学科
・出身:和歌山県
・専門種目:100m、200m
・PB:100m 11”08(-0.4) 200m 22”18(+2.0)
・UB:100m 11”10(+0.7) 200m 22”30(+1.6)
・好きなもの:クルマ、バイク、乗り物全般
・趣味:ロードバイク

と、自己紹介はこの辺にして本題に入っていこうと思います。

皆さん名古屋大学に合格し、これからの新生活や大学での学び、新たな友達との出会い、サークル活動に部活動と期待に胸を膨らませていることと思います。(コロナウイルスのせいでどれもこれもが期待で止まってるわけですが…)そんなわけでまずは僕が中学から始めた陸上競技を大学でも続けようと思った理由から話したいと思います。

大学でも陸上を続けようと思ったのは高3の近畿総体で100mを走り終わった後でした。
自己紹介でも書いた通りPBは11”08と10秒台に惜しくも届かないタイムです。実はこのタイムは5月初旬の和歌山県の春期選手権大会で出したもので、総体で出した訳ではありません。

春期選手権も終わり、総体で有終の美として100m10秒台を出してやろうと意気込んでいたのですが、県総体の3本、近畿総体の予選と高校生としてのラスト4レース全て10秒台にもかかわらずタイムの横には「w」の文字が書かれていました。全部追い風参考記録。しかも春期選手権では予選、準決、決勝と全て向かい風で、ラスト7レースも風の条件が悪いものでした。なんと運が悪いことか…。
もはや追い風参考の「w」も煽られてるような気分です。

短距離選手たるもの10秒台で走りたいと一度は思うはずです。なのでこのままでは終われまいと思い、大学でも陸上を続けようと決意しました。

ところがこのように決意したものの大学入試に失敗し、1年浪人をして陸上の再スタートは最後のレースから1年半以上後になってしまいました。(それでも僕は浪人して良かったと思っています。現役の時はとてもじゃないけど名大を受けられる学力なんて無かったし。1年で偏差値めっちゃ上げたし。)
ここからやっと本来書きたかったテーマの「ブランク」について書いていきたいと思います。

皆さんの中にも僕と同じように浪人を経て陸上を再開するのが久しくなってしまった人や、現役で合格を勝ち取った人でも再開するのを心配している人がいるかと思います。僕から言わせれば、そんな心配は皆無です!ブランクがあって心配だと言う人の不安要素は

①体力的について行けるか心配
②怪我をしないか心配
③パフォーマンスを取り戻せるか心配

このあたりだと思います。

まず一つ目、体力的について行けるか。
これについて、僕は練習で本気でキツくなったらやせ我慢せずに素直に抜けています。(決してサボって良いというわけではありません。)

山の上の陸上部は様々なレベルの人たちが集まっているので同じメニューでも負荷は違ってきます。ですので練習を中断することを咎められることはありません。がむしゃらに無理して練習することも時には必要かもしれませんが、正直言って大学生の体はそんなに若くありません。
「高校生の時は200mを何十本もガンガン走れたのになぁ~…」と遠い目をすることが頻繁にあります。彼らは本当に若いです。(浪人するとなおさら感じます。)大事なのは自分に適した必要な量、内容はなんなのかを常に考えながら練習することだと思います。
このことは二つ目にも繋がってきます。

二つ目の怪我をしないかについて。
これは自己管理ができていれば防げることだと思います。

苦しい受験勉強から解放されて、いざ部活として走れるようになると楽しくてどんどん走りたくなってきます。僕もそうでした。
でもそこで大事なのは「自分はブランク明けなんだ」と自覚しておくことです。怪我の話から少し逸れますが、僕は去年入部してからシーズンの目標を“1年かけて高校のときのパフォーマンスまで戻す”に決めました。怪我をしなかったのはこれが大きかったです。
決してすぐに速く走れるように体を戻そうとせず、1年という長い期間で見て戻すと決めることで無理な練習をすることがありませんでした。焦ると人間無理をしてしまうものです。脚に痛みが出たら走るのを途中で止め、違和感があれば後ろめたさがあっても無理して走ることはありませんでした。

こうやって自己管理ができたおかげで、幸いにもシーズンを通して大きな怪我をすることなく目標を達成できたと思っています。焦って怪我をすれば練習が積めずに返って目標達成から遠ざかることになりますからね。また、自己管理に加えて、山の上陸上部には頼れるトレーナーさん達がいます。1年生だからと遠慮せずに体に違和感があれば相談する、マッサージを受ける、これも練習を積めた一つの要因です。

三つ目のパフォーマンスを戻すことについてですが、これが一番難しく、悩ましいところです。僕個人としては、高校に上がったときにブランクでスランプに陥り悩まされタイムが伸びなかった経験が、この悩みを解決するのに大きく役立ちました。

中学で11”5のタイムが出ていたのに高校1年の間はずっと12秒台でかなり辛かったのを覚えています。このスランプを脱するきっかけが、練習に対して常にどういう意味があるかを考えたことでした。
走れば走るだけ速くなった状態からステップアップし、理論的に競技力を向上していく。この理論的に考えることが、大学での陸上でもブランク明けの競技力を戻すことに効果的でした。ちょっと堅苦しく書きましたが、そんなに難しくないですし、大学生の部活はこういうものだと思います。むしろ「何を今更」と思った人も多いことでしょう。
ですが大事なことに違いはないので確認で念のため。がむしゃらに練習するよりは改善点を見つけやすく、タイムの戻りも早いと思います。パフォーマンスを戻すことは浪人した人は特に不安になりやすいと思いますが、それで陸上を諦めてもらいたくはありません。僕は浪人してからの一年間、ほとんどの時間を勉強に費やし「今日は気晴らしに走るか」なんて日も全くありませんでした。ほとんど運動をしてません。そもそも現役の時は名大オープンの偏差値が40を切っているのでそんな余裕なんて無かったです。それでも僕は1シーズンでタイムを戻すことができました。要はこの心配については悩む前にまず走ってみようと言いたいです。走って考えて鍛えて、タイムが戻らないならそのとき初めて悩んで、それでもダメなら頼れる先輩達に相談してみる。そんな感じで良いと思います。

まあこれだけいろいろと「1年かけて」とか言ってるわりには8月の七大戦で結構調子は戻ってたんですけどね。心配はそんなにしなくていいってことです。

なんかいろいろと真面目に書いてきましたが、ちょっとでも陸上を続けたいと感じるならば山の上のトラックで練習が再開できた時に、あまり深く考えず足を運んでいただきたいです。
もちろん未経験者も大歓迎!トラックで実際走ってみると不安や心配よりも走りたい欲求が勝ってくることでしょう。陸上選手ってそんなド変態だと勝手に思ってます。(だってあんなに走るの冷静に考えると頭おかしいやん。400mとか800mとか始点と終点一緒やから仕事0やし.生産性無いやん.なんで仕事0やのに疲れるねん.(急な理系ボケ))

ブランクがあったって一年かけて戻せば良い。こんな状況ですが僕も体を戻し、次のステップとして本格的に10秒台を出そうと練習している最中です。大学は4年(院を含めると6年ないし9年)と長いので最初の1年をパフォーマンスを“上げる”のではなく“戻す”ことに費やしても何の問題もありません。不安に思わず一度走ってみましょう。きっとあの頃の熱い気持ちを思い出すはず!

皆さんと山の上のトラックで共に練習できる日を楽しみに待っています。